陳氏太極拳協会双月会

私の『人生双六』及び双月会に想う

私の健康観は篠原佳年氏著の「人生50歳脱皮論」を基としている。氏はリュウマチなど慢性疾患専門の医師であり、かつ、気功治療にも精通している。彼は人の人生は双六のようだという。ただ、この双六では人は身体機能の一 部を欠損したときに、初めてその機能に気づき、全て失ったときに上がりとなる、というものです。

その意味するところは、人は健康な時は自分の体を意識せず、故障したときに初めてその重要性に気づくことからです。そして、彼の仕事はその回復の手助けをするが、あくまで、患者自身が治そうとする気力が必要だとしています。

私も同様に考えており、人間の体は元々自分自身で修復可能だと思っています。
むしろ、自分の体を最も分かっているのは自分自身であり、その病気を作ったのは自分自身だから、治す方法も自分が一番分かるはずと考えます。
多くの病気は自分の体や不摂生などの悪い習慣、また、自分の思考のゆがみ、こだわり等等、様々な生活習慣や加齢による、体の哀えなどにより生じたと考えられます。

生活習慣については、そのゆがみを是正する思考や、体勢を矯正する運動を行うことで、ある程度は矯正可能と考えます。防ぐことのできない加齢による衰えについても、体の隅々まで、意識を通した上で、正常な体の動作により動かすよう意識することで、体の細胞全体が活性化し、また、神経組織も活性化することで加齢による体の哀えに大なり小なり、あらがうことができると信じています。

私の人生双六は大きく立派な風船ではなく、色んな所が傷ついて多少、空気が抜け、また、補修テープが張ってあっても、空気で多少なりとも満されている風船であり続けられるように、自分でその傷を治しながら、寿命を全うする双六でありたい。

なお、本寄稿文は当方の投稿依頼による割り込みです。年度終わりの締めを述べるよう、竹之内先生のご要望がありましたので、偕越ながら一言。

本年もコロナに振り回され、教室の休講を余儀なくされましたが、来年には老師の生の講習会が開催されるようになることを祈念しています。
3月にエールピアの芝生上で桜の花の下、四正太極拳を表演しました。皆さん頑張りました。
今年は会員が一名休会され、寂しくなりましたが、新たに6月と11月に三名入会
者があり、本会がより一層賑やかになりました。来年も楽しい学び含でありますように。

なお、本双月会は、他にはないほど、先生が優しく、また、生徒も、先生を慕い、また生徒同士でも互いを気遣う、水のように澄んだ組織だと思います。本来、武道では、生徒は、より師を敬い、生徒同士はお互いを敬い、各人の習う権利を尊重する気遣いが必要ですが、組織が大きくなるほど、理想型から離れてゆく危険性が出てくるので、今こそ、当初の会の性質が維持されるよう、拳歴の長い人は、初心者など、周りの人に心配りが出来る会であるよう望んでいます。

会員 男性 I・I