「双月会」の練習で以前、太極拳の身体の使い方から土踏まずのアーチについて会員様から質問が出た事がありました。
時折私が言う
「足裏カエルさんの足で。ワシさんにしないでくださいね」
と言う言葉に反応されたのでした。
質問内容は
「土踏まずのアーチを保とうと意識するとどうしても力が入ってしまう。カエルさんの足だと土踏まずのアーチはつぶれてしまわないか?」
と言うものでした。
その際はもともと土踏まずは形が変化するものと、土踏まずの働きについて軽くサラッと流してしまいました。
その後、足の機能を考えるとそんなに簡単な説明で良かったのか。という自問に駆らやれ、今回は人間の「足掌」についての寄稿文をまとめてみました。
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以前書いた「手」は言語を表す事もできる、コミニュケーションに使う事が出来る、また芸術や物作りをする機能を有していると言うお話しをしました。
それに対して足というものはそう言ったボディランゲージや物作りという機能は少ない様に感じます。
足の役割は「移動」「立つ」「身体を支える」という事に特化していると思うのです。
昭和の頃はこの二本足で歩くロボットを作るのがかなり難しいと言われていました。
頭という重い部位が最上位にある事。
二本足の構造上軸を左右に移動してしまう事。
移動中片足で身体を支える事。
足首、膝、股関節の各関節を連動させる事。
さらに足裏が踏む面が柔らかい、硬い、平坦、凸凹、を身体内で吸収出来る能力がある事。
少し考えるだけでどれだけの研究と努力によって二足歩行ロボットが出来たのかとため息が出てしまいます。
けれど私達人間はこれらのことを当たり前に、ほぼ無意識に行っているのです。
まず、質問頂いた土踏まずについて考えてみましょう。
「土踏まずのアーチ」と一口で言いますが
実は土踏まずのアーチには横方向のアーチ(横アーチ)足の内踝の方から見たアーチ(内側縦アーチ)、外踝側のアーチ(外側縦アーチ)があります。
横アーチは二本足で歩く為片足で全体重を支えやすくする為と考えられます。
内踝側のアーチはスプリングの様に衝撃の分散の役割、外踝の方は身体を支える役割があると考えます。
こうやってしげしげと眺めると人間の身体は力学の分野から見てもすごいものだと思います。
足は上に乗っている身体や重力に耐える事はもちろん自身が大地を踏む時その衝撃を逃す働きもあります。この支える。衝撃を逃す。という動作にもし土踏まずの形が変化しなければスプリングの様な働きは出来ないのです。これは土踏まずによってのみなされるものではなくそこに付随する筋肉や表皮、骨も協調してこの働きを担っています。
人間が地球上に存在する以上地球上の重力と摩擦に対応出来る身体(足)でなければ生命維持は難しいのです。
凸凹の地面をスムーズに移動する事、身体への衝撃を最小限にする事などを考えると踵裏の皮が厚い理由、体重や衝撃の吸収分散を担う土踏まずの存在、大地を蹴り出し推進する為の趾の機能、趾先の保護をする爪。
本当にどれを取っても
「良く出来ている」
としか言えません。
また、趾を見た時、親趾だけが太い事から中心に近い親趾が身体を支えるために大きな役割を担っている事がわかります。
今回足について寄稿文を書くにあたって調べてみて面白いと思った事が(足首から下の)足掌の正中線です。
掌の正中線が中指なのに対して足掌の正中線は人差し趾にあるのです。
そして趾を開く外転という動きをする時足の中心軸が内踝側に傾くといいます。
趾が開くという動きは体重を捉える動きの時に出る事から考えると、会陰に近い所に軸を変換させ身体の中心軸をを取りやすくするためかと考えます。この辺りは「歩く」という動作にかなり貢献していると思います。親趾が発達した結果土踏まずの凹みや「S」字の骨組形成がされたのかと思うと生命の進化とはまるで細胞一つ一つが遥か未来を見据えて地道な努力を続けた結果の様にも思えます。
足の骨は26個、靭帯は114、さらに筋肉は20でつくられています。
これらのパーツがそれぞれ驚くほど連動して人間の生活を支えているのです。
何気なく「当たり前」と思っていた事に太極拳をしていたお陰で気づく事が出来ました。
今回足首から下の「足掌」にフォーカスしたお話しをしました。
しかし人間の身体は一つのパーツのみで機能している訳ではありません。
例えば足掌の背屈底屈だけをとっても脛骨、腓骨、距骨など足首の関節に繋がっている筋肉、筋膜、骨、色々なパーツが連動して動くからこそ大地を踏み出す一歩に繋がる訳です。
太極拳には「一動全動」という句訣がありますが下半身の動きは本当に自然と連動して動いています。
「双月会」のグループLINEの中で
「太極拳の動きが出来ることは奇跡なんだとさえ思えるようになりました。」とコメントくださった
方がおられます。
この様に太極拳を通して自身の身体の素晴らしさに改めて気づいていけるのが醍醐味の一つかもしれません。
自分の身体を見つめ、知り、感覚を研ぎすまし、ほんの少しづつでも自分を変えられる自己讃歌が太極拳だ。なんて事を思ったりするのです。
太極拳を通して自分を知るそして人と繋がる。それがひいては文化の継続の一翼を担っているのが「双月会」。
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「双月会」竹之内
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