6月9日に福岡県太宰府市にあるとびうめアリーナで陳沛山老師の講習会がありました。
「双月会」からも多くの参加があり有意義な時間を過ごしました。
最初に行われた一般講習会は
「捏架を体験する」をテーマに行われました。
講習会が始まった時沛山老師から「捏架」という事について、これは伝統的な練習であり、師匠が弟子の身体に触りながら粘土を捏ねる様に形を整えて行く事である。との説明がありました。
実際「双月会」の中でも事前に
「捏架とは何ですか?」
との質問が出ていました。
私も
「捏架」の「捏」は「捏ねる」の意味で捏架というのは老師が弟子に套路の形定式を丁寧に指導する事です。
というお話をしており、老師からの説明と合致していたのでホッとしました。笑
こう言った伝統的な練習方法はその文化や歴史を引き継いでいる団体でなければなかなか耳にする機会はない言葉です。
今回「双月会」の皆さんにそれを体験してもらえて嬉しく思いました。
さて伝統的な太極拳の学習は大きく五段階に分ける事が出来ます。
その区別として一遍拳、二偏拳、三遍拳、四遍拳、五遍拳という呼び方で分けることがあります。
その五段階の中で今回の「捏架」は一遍拳の段階を指します。
この段階では円襠や立身中正、含胸抜背、沈肩墜肘、放鬆、上下相随などの四肢の基本的な要求が求められます。
老師の指導も伝統的な指導に沿って声かけされていました。
「予備勢足2個分開けて開立歩
肩と同じ幅」
「重心位置を若干前に」
「だけど胯を納める事」
「頭上を上」
「会陰は下」
「手は腿の真ん前ではなく親指が腿の真ん中くらい」
「意識はお腹に集中」
「肘が背中を向かない円の意識」
「お腹は後ろに抑える」
「円襠の意識」
「肘に丸み」
「お腹前に出さない様に」
「頭が前に出てこない様に」
「頭上です。上です。」
丁寧に1人1人修正を加えながら指導されていました。
今回特に予備勢の段階での肘の向きについてかなりの言及がありました。
老師にとって受講者の多くが肘先が背中側に向いており、両肘を結んだ先に大きな円がある意識がない。と感じられたようでした。
「一番問題は肘の向きが背中になっている人多い」
「手は浮いているのではない。」
「足は縦のアーチ」
「顎を引く」
「肘は回転して若干前」
「腎臓股関節はリラックス」
そんな言葉がけがありました。
私は
(え?腎臓股関節はリラックス?老師は腎臓(臓器)を関節の一つと同じレベルでリラックスする事が出来るのか)
と驚きでした。
例えば、私達は臓器が何処にあるかというのは知識としては知っています。
それは本で見て学んでいるからです。
心臓がここにあり、小腸がここにあり、肺もここにある。
けれどその臓器のひとつひとつを意識したり、リラックスさせる事はなかなか出来ません。
そんな事を思っていると、さらに言葉がありました。
「太極拳は一言で言うと丸です。
天と地と人
皆さん、言葉で理解した。その通りにやってる。でも違う。何かが違う。言葉で理解するのでは無く身体で理解しなければならない」
その言葉に先程の「腎臓リラックス」という言葉が蘇ります。
私は腎臓が何処にあるかを知っている。放鬆が大切なのも知っている。けれど、臓器一つ一つをリラックスさせる事は疎か意識する事すら難しいと感じるのです。
「地球と天を繋ぐ。だから身体は伸びる
実は丸といえば気感 ボールが空気でまんまんとしている様に小さくても左右展開する丸
開きっぱなしじゃない。」
そんな話しの後の休憩
「双月会」の参加者から
「尾閭正中の意識が間違っていたかも。無理矢理丸くするんじゃ無くストンと胯の中に座ってる感じかも…」
という感想があがりました。
休憩の間でも「双月会」の皆さんがお互いの気づきや感想をシェアしあっているのが「双月会」の人間関係がみえる様で嬉しく感じました。
その他にも
「定式と架式がある
定式は形が決まった所を定式
過渡動作の事を架式という」
と言うお話は私には新しい発見でした。
その後も金剛搗碓では
「拳一個分空ける
拳は若干斜めを向いてうちつけ
円襠の理解大事
足は親指から掴む
交差は自然に(停めない)
頭上↑
リラックス
お腹で腹式呼吸肩の力を抜く
丸く円の意識
円襠は非常に大事
顎を引く
「頭上上↑↑もっと↑もっと↑」
拳はしっかり握る。」
捏架の体験として4〜5人の会員が入れ代わり立ち代わり老師の指導を受けていきます。
金剛搗碓の定式でかなり猫背の参加者がおられて
「はい。頭上↑上↑。もっと。もっと」
老師が会員の背中を手の甲で軽くトントン。
トントン。参加者が見守っていると徐々に身型が変わっていきます。上にすっと伸びる感じ。
「おぉ」
「こんなに変わる?!」
捏架の指導を受けた参加者の変貌ぶりに周りから響めきが起こります。
こういった丁寧な指導を宗家から受けられると言うのは本当に恵まれたことです。
今回一般講習会とは別に指導者対象の講習会では推手も行われました。
その内容をここに詳しく記する事は避けますが、擒拿の使い方、経絡の急所を的確に捉えて絞める技法。これらを指導出来る人間が、どれだけいるのだろうか?
と思いました。
会員同士でも甲が肘を捉えて崩そうとするのに対し乙が肩甲骨からの縦波を起こして前を取り形勢逆転と言うのもあり、なかなかに楽しい講習会でした。
こんな講習会が受けられるのも伝統を引き継いでいる陳氏太極拳だからこそだと思います。
「双月会」では今年も会員募集中です。
あなたも陳氏太極拳を学んでみませんか?
会員一同あなたの訪問を心よりお待ちしております。
ぜひお越しくださいませ。
「双月会」竹之内