陳氏太極拳協会双月会

〜防災を考える「3の法則」〜

2024年、元日に能登半島で震度7の大地震のニュースにくぎ付けになった方も多かったのではないでしょうか?

新しい年の平穏と幸せを願う元日にまさかこんな大きな地震が起こると誰が想像したでしょう。

石川県の能登半島を大地震が襲ったのは元日午後4時10分ごろ、能登地方を震源とするマグニチュード(M)7.6、最大震度7の地震でした。

悲惨なニュースに被害に遭われた方々が一日も早く平穏な日々を取り戻せます様にと願うばかりです。

今回2024年の最初の寄稿文をあげるにあたり、実は別の内容を考えておりました。しかし、今回の大地震のニュースを我が事として受け止め考えなければ。という思いに駆られ防災をテーマに取り上げる事といたしました。

防災で良く耳にする「3つの言葉」に「自助」「共助」「公助」と言うのがあります。

「自助」→自分の命を守る
「共助」→お互い助け合う
「公助」→行政や消防などの公的な助けの事です。

大規模災害の初期段階でこの「公助」は当てにすることが出来ません。

さて今回のタイトルにも記した「3の法則」と言うものは他にも色々な所で語られています。

まずははサバイバルで言われる「3の法則」です。

「自助」、命を守ると言う観点からこの「3」と言う数字について考えてみましょう。

★3分 → 呼吸ができないと「死」を招く。
★3時間 → 体温が維持できないと「死」を招く。
★3日→ 水分を摂取できないと「死」を招く。
★3週間 → 食料を摂取できないと「死」を招く。

つまり災害時には緊急度として
呼吸の確保>体温維持>水>食料
である。と言う事がわかります。

ちなりみ2番目の体温維持ですが、外気温だけでなく、大きな火傷や大量出血、濡れたままの衣類に強風、疲労や栄養不足による熱生産の低下、アルコールや薬による体温調節機能の低下でも体温低下に繋がると言う事も頭に置いておかれたら良いかと思います。
(現在冬の為体温低下をメインに想定しておりますが、夏なら熱中症も考えなければなりません)

次に災害時の3の法則と言うものもあります。

地震が発生した瞬間からの「自助」「共助」「公助」の流れを考えてみましょう。

地震直後、最初の3秒で既に「自助」の行動は始まります。

3秒  揺れを感じたら
   ★机の下や事前に確認した安全な場所に隠れる。
   ★火元には近づかない。
   ★落ち着く、パニックにならない。
   ★ガラス類や脆い壁などから離れる。


3分  揺れが収まった時
  ★靴やスリッパを履く。(安全を確保の為)
  ★ドア、窓を開けて避難ルートを確保する。(外に出る時は瓦など上からの落下物にも注意。)
  ★火元を確認する。ガスの元栓を閉める。
  ★ラジオ、テレビ等で情報を確認する。
  ★防災グッズを持ち出し、安全な場所への避難
  ★避難する際にはブレーカーを落とす(停電後の通電火災を防ぐ為)


3時間  安全の確保・家族の安否確認・余裕があれば近隣の安否確認(共助)

  ★余震に注意。
  ★壁や塀にはできるだけ近づかない。
  ★隣近所で助け合う。
 
3日間 自助→共助→公助へ
  ★水・食料は備蓄で賄っていたものが少しずつ支援物資が運び込まれる。
  ★災害情報の収集。(情報の信憑性の確認)
  ★噂話や憶測で物事を言わない。噂話を鵜呑みにしない。
  ★職場や知り合いへの安否連絡

公助の届く時期は3日どころか1週間後という事も考えられます。これらは災害規模、住んでいる地域の地形、地質、環境によって変わってきます。自身の住む地域、活動地域を念頭に対策をたてておかれたら良いかと思います。

災害対策と言うものは実は個々の生活、行動によって違ってきます。
私の場合、車で移動する事が多いため、以下の3本柱で対策を立てています。
1 普段持ち歩くバッグの中身
2 車の中の災害想定品
3 家の中での災害備蓄

今回3番目の家庭内備蓄は皆さんローリングストックなどされていると思いますので割愛致します。

1 普段持ち歩くバッグの中身 

私の場合、普段持ち歩くバッグの中身は「負担にならない事」というのを重視しています。

★ペットボトル
★おやつ
★ビニール袋
★小さな救急セット(普段使っている薬やリバテープなど)
★テッシュ
★ウエットティッシュ
★ミニタオル

こう書くとビニール袋?と思われそうですね。ビニール袋は、意外と普段から役に立ちます。
ゴミ袋にしたりもしますが怪我人が出た時止血する時直接血に触れない様に手に被せたり、血を拭いたティッシュなどを処理するのにも使えます。私は普段でも地域で子供と接する事が多いので、鼻血が出た。擦り傷が。という時には重宝しています。

上記の持ち歩く災害想定品は普段から使ったら補充を繰り返しています。

2 車の中の災害想定品

災害時を想定して普段から車の中には蓋付きのバケツ(座椅子としても使える)を入れています。これは災害時床に直接腰を下ろすより身体への負担が少ない事や腰が冷えるのを防ぐからです。バケツの中身はブランケットやタオル、今の時期ならカイロ、マスク、食品ラップ、手袋など入れたりしています。
緊急時にはこのバケツで水を溜めておく事もできます。
また、車のシートカバーにプールで使う巻きタオルを使っています。
普段は運動した後の汗の為、災害時には保温や着替えの時使用できる。というのがあります。
この他に車の中にはお水のペットボトルを必ず一本置いています。
これは以前怪我人を助けた時傷口を洗うのに重宝したからです。普段から入れておき喉が渇いた時には飲み新しいのを補充するパターンです。

これはあくまで私の場合です。
今回の地震をこの機に気負わない範囲で対策を立てておく。と言うのはいかがでしょうか?

「双月会」は今年も会員募集中です。
今年も楽しく皆様と太極拳が出来ますように。
今年もよろしくお願い申し上げます。

「双月会」竹之内朋子