陳氏太極拳協会双月会

〜幸福とは〜

幸福とは、具体的な物に依存するより、気の持ち様であると、エール大学の成田助教授がテレビで述べていた。その幸福感を持たせるのに、太極拳などの武道は有効な方法と考えられ、テニス等の一般的スポーツとは異なる点があると思われる。普通のスポーツでは、運動後に高揚感という強い感覚は生じるが、勝敗に依存する他、寄りどころは不確かという感がある。それに対し、武道は自己肯定の感覚で、静かではあるが、しっかりとした軸を持つ感覚と言える。また、それにより、人はやる気スイッチが入る。

日頃の太極拳などの武道の練習の際、自分を客観的に見つめる事と
そこで求められる動作を行うために、自分の体の様々な部分を常に自由に動かせる様、努力することが重要と考える。道路で例えると、最初は路地を行く様なヨタヨタとした動きが、最後は高速道路を行くごとく、素早く、強い動きに変化していく。
(技術習得過程)

 それにより、体の各部分の気の循環と、神経組織の情報伝達の潤滑化が図られるとともに、幸福ホルモンのセロトニンの分泌が促され、幸福感・充足感が得られると感じられる。また、常に、自分を見つめることにより、より新たな自分・新たな世界を発見できる。
(自己肯定・向上効果)

また、日頃の太極拳の練習を通じて、立身中性、虚領頂勁、上虚下実、含胸抜背などの感覚を養うことで、常に、自分がいつもと同じ状態か否か、問うという恒常性の感覚も養われる。また、それにより、自分の体と心の老化を見つめ、それにあらがうことができる。
(老化抑制効果)

更に、「一隅を照らす」の言葉のごとく、自分の家族や近い人の健康と幸せを思う気持ちで、サムシング・グレイトと向き合い、願うことによって、自分や周囲人達や自然環境を含めた天地人の宇宙観を作ったり、気功(治療)に発展することが出来ると信じている。これらは、自分自身が、多少でも満ち足りていると感じられることで可能と思われる。
(社会福祉・健康・治療効果)

つまり、自分自身を肯定(自己肯定感)しなくして、人の幸福を願うという意識までには至りにくいのではと考えられる。
(幸福の共有)

このように、太極拳は極めて優れた心身の調整法であり、思想と考えられるが、凡人の当方には、ゴールは遙か雲の上にある。残念!!

なお本年も、竹之内先生より、年末の締めを依頼されましたので、一言。

本年は春先に2人、年末に2人、入会者が増え、教室の生徒数が計14名となりました。ここ2年間では加入された方々はほとんどが、初めて太極拳を経験される人ですが、それぞれ個性豊かで、明るくて、竹之内先生の丁寧なご指導の元、皆一同に、毎回の教室が待ち遠しい感があります。

投稿者I·I