2024年11月初旬
「X」の投稿に目を奪われました。
九州の小学生フルコンタクト空手大会。
審判から「待て」がかかった後、後向きの相手に対する後頭部へのハイキック
倒れ込む被害者と
被害者に駆け寄る事なく協議する審判団。
(なに?コレは?!)
一瞬我が目を疑いました。
思わず声が出ました。
「なにやってんの?!」
早く救急車を!安全確認を!
倒れた子は無事なのか?
頭をよぎったのはフローラ•ハイマン選手の事です。
ダイエーのバレーボール選手でした。
1986年1月22日松江での日本リーグの試合で倒れ、亡くなった事を記憶しておられる方もいらっしゃると思います。
TVの放送中、彼女が突然うつぶせに倒れます。少しして選手たちが恐る恐る周囲に集まりましたが、ただ立っているだけで誰も何もしません。
状況を理解していないのです。
そう、想像すら出来ていない、
もし心停止なら命に関わる事だという事が…。
10分以上も経過して担架が到着し彼女は搬出され還らぬ人となりました。
あれから40年近く…
今回の事は武道武術の世界ではまだあの頃と何も変わっていないのだという事を物語っています。
40年前と何も変わらない状況にショックを受けました。
これは身近で起こりうる事かもしれない。
そう、太極拳の中でも…。
例えば
太極拳を学ぶ、競技する、交流会、講習会、日々の練習の中で…。
競技があるという事はそこに審判団がいます。
審判員は競技ルールや採点の勉強はするけれど、緊急時の対応など生命に関わる基本知識を勉強してはいないでしょう。
指導者もその歴史や太極拳の事は学んでも緊急時の対応は学んでいない。というのがほとんどかもしれません。
日本社会の中で考えると
車の免許をとる勉強の中で学んだ記憶と、子供のプール監視の為に学んだ記憶がありますがその他は自分から学びに行かなければ教わらないかもしれません。
仕事として医療介護に携わる人や自治体の自主防災などでは近年積極的に心肺蘇生法やAEDを学んでいます。
が、私の住む地域でスポーツ団体単体で救命講習を学んでいるのはバレーボール、水泳、時に登山の団体位です。
スポーツ団体の数、指導者数から言えば少ないと言わざる負えないでしょう。
武道武術も心と身体を鍛えるという事をベースに置くならば安心安全はその土台となるところです。しかし、安心安全が、あまりにも当然の事すぎてその重要性が語られず現在に至っている気がします。
なんだか偉そうに安心安全について書いていますが、かく言う私も若かりし頃デパートのエントランスで前から歩いて来たご老人が何もない所で突然崩れ落ちるように倒れた時、状況を理解出来ませんでした。
(え?何?ふざけてる?)
そんな思いから一瞬
「ふふっ」
と笑ってしまいました。
その直後
「何してる!」
いち早く異常を察知した男性が駆け寄ると老人を助け起こし
「大丈夫ですか?」
そう言って近くの椅子に座らせました。
その時、青ざめた顔の老人を見て私は初めて事の重大性を理解したのです。
いたたまれず集まる人垣をかき分けるように私はその場から離れました。
当時の私は心筋梗塞や脳卒中などの知識が皆無だったのです。
今回の空手審判団のように…。
あの審判団が過去の自分と重なり苦い思いが蘇りました。
現在太極拳の愛好者には高齢者が多くおられます。
当然若い方達より突然の心停止や脳梗塞が起こるリスクは高くなります。
練習の時仲間が倒れた時、瞬時に判断し対応が取れる指導者、仲間がいる事が如何に大切か私達は考えなければいけない時期に来ているのかもしれません。
いち早く発見通報する
AEDの使用
心肺蘇生
救急隊への引継ぎ
多くの人々がいれば
胸骨圧迫を交代することで効果的な心肺蘇生が出来ます。
救急隊員を一早く現場へ誘導する事も可能です。
ご家族への連絡し、かかりつけ医や既往症の確認もできるでしょう。
皆が対応出来れば1分1秒を無駄にする事なく対処出来ます。
今回の空手の件を対岸の火事と捉えず我が事として太極拳でも審判員、指導員資格者は自分から率先して応急手当てを学んで頂きたいと思いました。
多くは各市町村の消防署、または日本赤十字などで一般市民の参加出来る講習会をしています。
ぜひ確認してみてください。
その知識は太極拳の仲間だけで無く家族や地域の人達を助ける一助になれる事でしょう。
まも無く新年を迎えます。
お正月に餅を喉に詰まらせた。
というニュースが毎年の様に流れます。
こういった窒息でも、意識があるうちは本人に咳をする様促す。さらに意識が無くなった場合には心肺蘇生法(胸骨圧迫➕人工呼吸)を行う事を知っておいてください。
救命講習のお手伝いの中で以外とご存知ない方が多かったので記してみました。
救命講習会では「救命の連鎖」というものをお伝えしています。
「救命の連鎖」とは
①心停止の予防
②早期確認と通報
③一次救命処置(心肺蘇生法とAED)
④二次救命処置(病院内)と心拍再開後の集中治療
の事です。
太極拳を学ぶ、身体を動かす、運動する。という事は①の心停止の予防につながります。
さらに今回お話しした緊急時のその場に居合わせた人々の取るべき対応は救命の連鎖の②と③になります。
「救命の連鎖」の4つの中で3つを私達が担っているのだという事を知って頂きたいと思います。
今回は11月の出来事から急遽内容を変更させていただきました。
早いもので今年も残りひと月ちょっととなりました。
「双月会」では来年も変わらず会員募集中です。
是非体験にお越しください。
では!
「双月会」竹之内