陳氏太極拳協会双月会

★〜人体 関節と靭帯、筋肉と腱〜★

運動をしていても意外と自身の身体について「知らない」という事が多くあります。
「双月会」の練習の中でも筋肉や関節について話題になる事がありました。
そこで今回は特に骨や関節などについてのお話をしたいと思います。

太極拳をしていると「股関節を引き込む」とか「肘を落とす」「膝を上に向けて」などの表現をよく耳にします。
私は太極拳を学び始めたばかりの頃はこの表現になかなか苦労しました。それは「肘」「膝」「股関節」などの関節は骨と骨を繋ぐものであり、「関節」そのものが動きを生まないからです。
肘や膝などの「関節」を動かす為にはそこに関わる筋肉を動かさなければいけません。
ところが「肘」「膝」と聞いた瞬間、頭はその部位を意識してしまい、動かし方が分からない。と言う事になってしまうのです。

今回のタイトル関節と靭帯、筋肉と腱の役割を考えるにあたり身体の土台となる骨についても軽く触れておきましょう。

★骨
皆さん既にご存知の通り、骨とは身体の土台となるものであり、脳や内臓を守る働きも担っているものです。

★関節
簡単に言うと骨と骨を繋げた所。
以前寄稿文に載せた「可動関節」(股関節や肘、膝などの関節)のみを関節だと考えてしまいがちですが、その他にも線維性の連結(頭蓋骨)の関節や軟骨性の連結(椎間板)の関節があります。
頭蓋骨が線維性の連結をしている理由は成長と共に脳も成長しなければならない為ですし、椎間板が、もし軟骨性の連結でなければ前屈後屈側屈といった体幹の自由可動は出来ないでしょう。

★腱
腱と聞いてすぐに思い出されるのが「アキレス腱」ではないでしょうか?
骨に筋肉を付着させる繊維性(せんいせい)のひも状の組織となります。

★靭帯
靭帯とは骨格の各部分をつなぎ、関節の運動を滑らかにしたり制限したりする、強い弾力性のある線維性の組織のことです。
代表的なもので膝の十字靭帯が有名です。

★筋肉
筋肉の役割は簡単に表現すると骨を動かす。(身体を動かす)事と言えるでしょう。
筋肉には
☆骨格筋(骨格に付着している筋肉。)
☆平滑筋(眼球や消化器、血管などを包んでいる筋肉)
☆心筋(心臓を動かす筋肉)
に分けられます。

筋肉とは多くの筋繊維の束で出来ており末梢神経からの電気信号で収縮するところを「筋」。筋肉から伸びた筋っぽい骨と繋がったところは「腱」です。

この3つの種類のうち一般的に「筋肉」と表現した場合は「骨格筋」を指している。と考えて良いでしょう。

つまり、筋肉で生じた力は、腱によって骨に伝えられ、骨は関節を軸に回転することで、カラダは動かすことができるのです。
靭帯は骨と骨を繋ぎ、靭帯がある事で関節は補強され関節の中心をに保つことができるわけです。

人間の肉体を「車」に例えるならばその運転技術は日々の運転の中で上達していきます。
しかし時には車検やオイル交換、タイヤ交換などに見られるメンテナンスも必要になってくる。
という事です。
そして無理の効いた新車と違い、ある程度の年齢になれば(笑)自分の身体を知ると言う事も必要になってくるという事です。

太極拳でも同じで太極拳をする為に用いる身体と言うものの構造を多少なりとも知っていた方が、スムーズに動く為にも、怪我の予防のためにも必要な事ではないでしょうか?

怪我をしない事。
運動をする上で念頭に置いて置きたいものです。
関節や腱の異変を自覚する前から日々のストレッチやマッサージ、採気法などを行い自分の身体を確認してみてはいかがでしょうか?
年を重ねるにつれ、関節では、軟骨が擦り減り、また、腱の性状が変化し、故障のリスクが高まっている。という自覚(笑)も大切かと思います。加齢共により一層のケアが必要となります。
だからこそ、怠けるわけではないけれど、詰め込み過ぎない無理をしない。それがひいては太極拳を長く楽しむコツなのかもしれません。

「双月会」では会員募集中です。
この寄稿文を読まれて興味を持たれた方ぜひお越しください。
体験は無料です。
仲間一同お待ちしております。

「双月会」竹之内